冨樫義博の出世作!!幽遊白書 感想

おはよう!こんにちは!こんばんは!KAIです。

ついに読み終わりました!幽遊白書!!

僕らの世代的には、HUNTER×HUNTERでおなじみの冨樫義博先生ですが週刊少年ジャンプにて1990年~1994年まで幽遊白書という漫画を連載していました。アニメ化もされ映画も作られ、大ヒット。ドラゴンボールスラムダンクに次ぐ看板マンガとして一世を風靡しました。

 

幽★遊★白書 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

幽★遊★白書 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

 

 

そんな冨樫先生の出世作である幽遊白書の感想書いていくぅ!

 

あらすじ

 

ヤンキーであり喧嘩っ早い浦飯幽助は、車に轢かれそうになっている子供を助ける代わりに死んでしまう。

しかし、幽助は死ぬ予定ではなかったため、生き返るための試練を与えられる。霊界案内人であるぼたんと共に霊体として人々の問題を解決していくことになった!?

 

キャラクター

 

浦飯幽助(主人公)
皿屋敷中学校2年生の14歳。ヤンキー。短気。頭が悪い。腕っぷしが強く、周りの人間から恐れられている。しかし、子どもを助けるために自分が身代わりになるなど実は優しいのか……!?オールバックにすると臨戦態勢。髪を下ろすと幼さを残す青年となる。冨樫先生このパターン好きだな……H×Hで言えばゴン

必殺技:霊丸霊光弾

 

桑原和真
皿屋敷中学校2年生の14歳。ヤンキー。短気。犯罪が嫌い。仲間思い。メタリカ大好き。幽助にライバル心を燃やしことあるごとに喧嘩を売っていた。霊感を持っている。H×Hで言えばレオリオ

武器:霊剣

 

蔵馬/南野秀一
実は妖狐であるが、瀕死の重傷を負わされたため、人間界に逃亡し、南野志保利が妊娠していた胎児に憑依し、南野秀一として生きる。植物を操る能力を持つ。中性的な顔立ちを、しており女性と間違われるほど。ロングヘアー。いつも落ち着いていて、頭もいい。幽白で一番常識あると思う。H×Hだとクラピカ

武器:薔薇棘鞭刃(ローズ・ウィップ)

 

飛影
邪眼師。妖怪。盗賊。めちゃくちゃ身長が小さい。体術や剣術、炎を操ったり、戦闘センスに秀でている。傲慢なところがあり、冷徹な部分もあるが、実は仲間思い。ベジータみたいな。盗賊として悪事を働いていたところを幽助に倒され一緒に行動を共にするようになる。当時は飛影を真似た中二病が増えたんだろうな……H×Hで言えばキルア。

必殺技:邪王炎殺黒龍

 

幻海
めちゃくちゃ強いお婆ちゃん。霊光波動拳の使い手であり、人間界でトップクラスの実力を持つ。浦飯幽助師匠となり、彼を導く。霊力を高めると、細胞の活性化によって20歳前後にまで若返る。TVゲーム大好きで得意。自宅に何台もある。

 

感想

 

幽遊白書、面白かった!!

全19巻という今から考えるととても短い巻数の中に面白さが凝縮されていた!鬼滅の刃とかチェンソーマンは違うけれど、ひと昔前のジャンプ作品の巻数めちゃめちゃ多かったからな……

ジャンプの黄金時代を支えてきただけあり、王道を行きながら、冨樫義博先生の闇(病み?)の部分を垣間見ることができた!

トーナメントバトルというジャンプの伝統芸能をやりつつも、後半あたりからちょっとずつH×Hにつながる心理戦が増えていった印象。

ここからレベルEを経て、HUNTER×HUNTERへ到達するのか……ダークサイド冨樫の系譜はこうして紡がれていく……

特に面白いと思った点をピックアップしていくぅ!

 

善悪の彼岸を超えて

 

幽遊白書、実は勧善懲悪の物語ではない!

あらすじを見た感じ、悪霊を倒していくという展開になるだろうと思って読み進めていった。

しかし、「悪」とは一体何か?もしかしたら、人間の方が「悪」ではないか?というふうに物語が進行していく。人間の醜さ、俗悪さは僕らが考える幽霊よりも恐ろしいよ!!というのが1つのメッセージだと思う。

この辺が当時の週刊少年ジャンプに画期的だったのではないだろうか。ドラゴンボールなどのように勧善懲悪的なストーリーが流行っていた中で、ちょっと背伸びしたい学生が多分読んでいたんだろうな……と予想。

冨樫先生の人間観察力の鋭さにアッと驚くはず!!

ここで僕の好きな幻海の台詞を引用!!

あんたはあたしを正義といったが そんなつもりは全くないよ
たまたま嫌いな奴に悪党が多いだけの話さ

こういう台詞を主人公サイドの師匠キャラが言うんだからすごいよね……言い回しが好きすぎる!パクろ!!

このマインドは後のH×Hにも受け継がれていく。

 

②冨樫病み病み期

 

幽遊白書を連載していた当時、めちゃくちゃ病んでいたんだろうな……というのが巻頭コメントうかがえるぞ!!

例えば第6巻の巻頭コメント

制作白書シリーズその①~病気編~
 今まで3~4回ピンチがありましたね。最大の故障は、91年の1月から半年続いた腰痛。一番ひどい時は机に向かうことができず床に寝た状態で原稿を描きました。
 最近ではC人気投票発表のカラー原稿の回。ブッシュ風邪でめまいと吐き気に悩まされながら、ほとんど自動書記で描いていました。今は体は一見健康ですが、頭は持病の変態病に悩まされています。

最後、変態病で悩まされていますとお茶を濁している感じが出ているが、本気で肉体的に限界を迎えていたんだと思う(実際変態かもしれないけど)。

さらに16巻の巻頭コメント

 漫画用語事典シリーズその①あ行
アシスタント→作品を手伝ってくれる人。作品の99%を担う場合もある。
胃炎→アシスタントにこの病気が多い程、その作家は一部の読者に評価される。
打ち切り→雑誌の良心
影響→誰も知らない人から受けること。そうすればオリジナルだと思われる。
落とす→作家の良心。賛否は勝手だが、これをステータスと考えるのは、愚かだ。

これを見て『悪魔の辞典』という本を思い出す。ビアス・アンブローズというジャーナリストが書いた辞書形式の本なのだが、とにかくあくが強く、皮肉に満ちている。多分それを真似して冨樫先生も毒を吐いたんだろうな……皮肉を言ってなきゃやってられるか!!という気分だったんだろうな……

週刊連載の恐ろしさを垣間見た気がする。肉体的にも精神的にも追い込まれた冨樫先生。これが漫画を描くということか……

読者は命を削って描いた漫画にめちゃくちゃ感謝してしっかりお金を落とさなきゃね!!

冨樫先生の魂の叫び、命の揺らめきが見れる幽遊白書オススメである。

 

③最終的に壊れました

 

先ほどまで冨樫先生の病み具合を見てきた。

肉体的にも精神的にも追い込まれた冨樫先生はどうしたか!!

物語をすごい勢いで端折っていくのである!!

最後の章に入った途端、バトルシーンや修行シーン、キャラの掛け合いを必要最低限にして、どんどん物語を進め、完結する。

日めくりカレンダーをべりべりめくっていく感じである。ついに壊れてしまったのか冨樫先生!!僕は悲しくなった。

週刊連載には魔物が住んでおり、人間を狂気に追い落とす。その片鱗を見てしまったように思う。

やっぱり作家の人生が何よりも大事である。命には代えられない。一方で、売れなければ作品を読んでもらえない。このバランスをどうとるかというのが非常に難しいのだろう。もしかしたら、週刊連載は無理があるもかもしれない……

幽遊白書を読んでいると、冨樫義博の悲鳴、苦痛が伝わってくる。もう描きたくないんだ、やめてくれ!!という声が。読者として辛かった。

H×Hはどうか悠々自適に描いてほしい!!いつまでも待ちますから!!

 

おわりに

 

冨樫先生が死ぬ思いで描いた漫画、幽遊白書

週刊少年ジャンプを勝ち上がってきただけあってかなり面白かった。

後にH×Hにつながる広大な世界観、魅力的なキャラクター、緻密な設定の片鱗を見ることができる。特に後半の心理戦は見ごたえがある。

やはりジャンプらしからぬ黒さ冨樫義博先生の作品の一番の面白さだと思う。単純な善悪の二元論の世界で終わらない、人間の欲深さや醜さを描くことができる作家であると思う。

魅力が伝わってるといいなぁ!!

皆さんも是非手に取って読んでほしい!!