堂々完結!!進撃の巨人 感想

おはよう!こんにちは!こんばんは!KAIです。

なんと、ついに、ついに、ついに、ついに、ついに、ついに、ついに、

進撃の巨人が完結してしまいました!!!!!!!!!!!

pocket.shonenmagazine.com

 

4月9日。本日、最終話が公開されまして、堂々完結です。11年7か月にも及ぶ連載が幕を閉じました。諌山創先生には感謝してもしつくせません!!

ありがとう!本当にありがとう!

最終話を読み、僕にもいろいろ思うところがあったので………それをツラツラ書いていくぅ!

最終話のネタバレを含みます!注意してね!

 

僕と進撃の巨人

 

色々書いていく前に、まず僕と進撃の巨人の出会いから……

あれは8年前のことだった……

特に熱中できることもなく、だらだら過ごし、ゴミのような中学校に通う僕。苛烈な環境だったため疲れ切っていた……

そんな日常をぶっ壊したのが進撃の巨人である。それはまるで壁を突き破った超大型巨人を目撃するくらいの衝撃だった!!

ちょうど進撃の巨人のアニメが始まったころだった。

毎週、食い入るようにして見て、漫画を集め、ネットの考察を見て(自分で考察しないあたりね……)、Linked Horizonにはまって、二次創作を見て、友達と語って……

それ以来、進撃の巨人が僕を生かしてくれたと言っても過言ではない。4か月に1冊の新刊が出る。それを楽しみに生きてきた。辛いことがあっても進撃の巨人の最終回読みたいしな……と思うことで耐えることができた。

最終回に近づくにつれ、リアタイの空気を楽しもうとマガポケで1話ずつ見ていった。毎月の楽しみになった。

あっという間に8年の歳月が流れた。

ついに、進撃の巨人が終わってしまった。

実は今のところ喪失感はそんなにない。頼らずとも生きていけるようになった。少しは大人になったのかもしれない。いや、後から追いかけてくるのか……

そんな思い出深い作品である。命を救ってくれた漫画である。

ここからは進撃の巨人最終話を読んで思ったことを書いていく。

 

暴力では何も解決できない

 

進撃の巨人の終盤はかなりバイオレンスだった。

パラディ島のみんなを守るため、エレンは地ならしを発動。森も、大地も、海も、かつて出会った少年も踏みつけ、進撃した。

そして最終話ではエレンは自分が人類の敵となり、それをアルミンたちが討ち取ることで世界の英雄になるという本当の目的が明かされた。

また、地ならしの後、エルディア国ではイェーガー派が「軍」を結成し、パラディ島に報復しようと軍備増強しているという説明があった。

エレンはパラディ島を一時的に救うことに成功したかもしれない。しかし、人類の8割を死滅させた上に、さらなる争いの火種を生み出しただけではないだろうか。

全く問題は解決していないように思う。生き残った人類は結局争いを続けるだけである。これだから人間ってやつは!!

やっぱり暴力では物事は解決できないのではないだろうか。

世の中の真理として力の強いものが勝つというものがある。

権力を打ち倒すにはその権力よりも強い「力」をもってこなければならない。仮に権力を打ち倒したとしても、行き場を失った「力」はさらに民衆を抑圧する。最初に権力がよりも強い力での支配に変わる。

だから、暴力革命には限界がある。それはフランス革命の恐怖政治ロシア革命ソ連の体制を見れば明らかである。急進的な暴力は必ず打ち倒したはずの体制よりも強い抑圧を生む。

このような歴史を見る限り、やはり暴力革命には現状を変える力はない。ガンジーキング牧師が展開した非暴力運動に活路を見出すしかないのかもしれない。

エレンはパラディ島を守るためにその他全ての人類を滅ぼすことにした。いわば敵を殲滅するという究極の暴力で解決しようとした。一方で仲間に自分を殺させ地ならしを止めようともした。

本当に仲間に頼るのならば、自分が見た結末を正直に伝え、アルミンが言うように話し合いでの解決を目指しつつ、さらに非暴力運動を展開する必要があったのではないか。

非暴力運動は単なる綺麗ごとではない。生ぬるい正論ではない。自らの血にまみれた闘争である。ガンジーは命がけで暴力以外の全てを使って抵抗を示した。相手からの暴力を受けながらも、自らは暴力を使わず、あらゆる手段で抵抗する。

エルディア人の無抵抗な闘争を用いて、世界と対峙すべきだったのではないだろうか。そうすればエレンは死ぬ必要がなかったのに……と思うが、やはりそれ以外に方法がなかったのかな……とも思う。

ともかく暴力革命の限界を示した進撃の巨人はすごすぎる作品である。8年読んできて本当に良かったぜ……

 

始まりはハラスメントから

 

最終話でユミルが王を愛していたということが明かされる。愛していたが故に王の言うことを聞いたし、最後に王を守って死んだのである。

しかし、ちょっと待っていただきたい!!それって本当に愛か?

このエピソードを読んだとき、ストックホルム症候群を思い出した。

1973年8月、ストックホルムにおいて発生した銀行強盗人質立てこもり事件(ノルマルム広場強盗事件)において、人質解放後の捜査で、犯人が寝ている間に人質が警察に銃を向けるなど、人質が犯人に協力して警察に敵対する行動を取っていたことが判明した。また、解放後も人質が犯人をかばい警察に非協力的な証言を行った。(by Wiki

ストックホルム症候群人間は他者に究極の暴力を加えられた時、その他者に対して好意を持ってしまうというものである。

それは、命にかかわる暴力を加える他者に対して敵対するよりも好意を持つ方が生き残る確率が上がるからであり、生存戦略として有効だからである。

つまり奴隷であるユミルは王に対して好意を持つことで生き延びようとしていた。愛と称していたものは単なる生存戦略だったのである。意図的というよりかは本能でそれを選択した。

巨人になる力を持っていたのにもかかわらず、逆らわなかったのは奴隷という身分の中で、究極の暴力、ハラスメントを受けていたため、愛であると錯覚してしまったのではないか。

コミュニケーションを適切に行うためには、お互いがお互いを理解しようという学習過程の働きを怠らないことが大切である。相手からのメッセージを受け取ったときフィードバックによって相手の像を更新していく。これをお互いができていればコミュニケーションは健全なものとなる。

しかし、片方がフィードバックを怠り、相手の像の更新を止め、相手だけが学習過程を働かせているとき、ハラスメントは起こる。そして、学習過程を止めた上で、様々な矛盾したメッセージを送り続けることで相手は混乱し、ついに言うことを聞くようになる。

これがハラスメントの理論である。

おそらくユミルは奴隷という身分でかつ舌を切られ話せなかったことで、コミュニケーションをとることができなかった。そして王からの様々な矛盾したメッセージを取り込むことでハラスメントの罠に陥った。そして、その一連のメッセージは全て「愛」故のものだと勘違いした。

進撃の巨人の悲劇はユミルのハラスメントから始まったのである。

しかし、ユミルの悲劇がなければ、エレンは生まれることはなく、ミカサと出会うこともなかったかもしれない。そこが非常に上手くできている。諌山先生はすごいな……本当にやるせないぜ……

 

おわりに

 

まだまだ深堀しようと思えばできると思うが今のところ自分が思いついたのはここまでである。後から気づくこともたくさんあるだろう。

ハラスメントの理論や暴力革命の限界は東大教授の安冨歩先生が本やメディアでおっしゃっていたことであり、最近になって僕が知ったことなので、それが進撃の巨人とつながって驚いた。

それくらい進撃の巨人の射程は広く、深いものであるということだ。

巨人との戦い方、組織のありかた、パラディ島のクーデター、人種問題、政治、暴力革命、あらゆる角度からでも語りうる進撃の巨人。本当にすごい漫画だ……

諌山先生本当にありがとうございました!

あなたの作品のおかげで生きていくことができました。感謝しかないです。

ゆっくり休んでください。自分専用のサウナを作ってください。そして暇になったら、また漫画を描いて下さい!!

ガチのマジの本気でオススメの漫画なので是非読んでほしい!!!!!

さよなら、僕の青春……

 

 

冨樫義博の出世作!!幽遊白書 感想

おはよう!こんにちは!こんばんは!KAIです。

ついに読み終わりました!幽遊白書!!

僕らの世代的には、HUNTER×HUNTERでおなじみの冨樫義博先生ですが週刊少年ジャンプにて1990年~1994年まで幽遊白書という漫画を連載していました。アニメ化もされ映画も作られ、大ヒット。ドラゴンボールスラムダンクに次ぐ看板マンガとして一世を風靡しました。

 

幽★遊★白書 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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そんな冨樫先生の出世作である幽遊白書の感想書いていくぅ!

 

あらすじ

 

ヤンキーであり喧嘩っ早い浦飯幽助は、車に轢かれそうになっている子供を助ける代わりに死んでしまう。

しかし、幽助は死ぬ予定ではなかったため、生き返るための試練を与えられる。霊界案内人であるぼたんと共に霊体として人々の問題を解決していくことになった!?

 

キャラクター

 

浦飯幽助(主人公)
皿屋敷中学校2年生の14歳。ヤンキー。短気。頭が悪い。腕っぷしが強く、周りの人間から恐れられている。しかし、子どもを助けるために自分が身代わりになるなど実は優しいのか……!?オールバックにすると臨戦態勢。髪を下ろすと幼さを残す青年となる。冨樫先生このパターン好きだな……H×Hで言えばゴン

必殺技:霊丸霊光弾

 

桑原和真
皿屋敷中学校2年生の14歳。ヤンキー。短気。犯罪が嫌い。仲間思い。メタリカ大好き。幽助にライバル心を燃やしことあるごとに喧嘩を売っていた。霊感を持っている。H×Hで言えばレオリオ

武器:霊剣

 

蔵馬/南野秀一
実は妖狐であるが、瀕死の重傷を負わされたため、人間界に逃亡し、南野志保利が妊娠していた胎児に憑依し、南野秀一として生きる。植物を操る能力を持つ。中性的な顔立ちを、しており女性と間違われるほど。ロングヘアー。いつも落ち着いていて、頭もいい。幽白で一番常識あると思う。H×Hだとクラピカ

武器:薔薇棘鞭刃(ローズ・ウィップ)

 

飛影
邪眼師。妖怪。盗賊。めちゃくちゃ身長が小さい。体術や剣術、炎を操ったり、戦闘センスに秀でている。傲慢なところがあり、冷徹な部分もあるが、実は仲間思い。ベジータみたいな。盗賊として悪事を働いていたところを幽助に倒され一緒に行動を共にするようになる。当時は飛影を真似た中二病が増えたんだろうな……H×Hで言えばキルア。

必殺技:邪王炎殺黒龍

 

幻海
めちゃくちゃ強いお婆ちゃん。霊光波動拳の使い手であり、人間界でトップクラスの実力を持つ。浦飯幽助師匠となり、彼を導く。霊力を高めると、細胞の活性化によって20歳前後にまで若返る。TVゲーム大好きで得意。自宅に何台もある。

 

感想

 

幽遊白書、面白かった!!

全19巻という今から考えるととても短い巻数の中に面白さが凝縮されていた!鬼滅の刃とかチェンソーマンは違うけれど、ひと昔前のジャンプ作品の巻数めちゃめちゃ多かったからな……

ジャンプの黄金時代を支えてきただけあり、王道を行きながら、冨樫義博先生の闇(病み?)の部分を垣間見ることができた!

トーナメントバトルというジャンプの伝統芸能をやりつつも、後半あたりからちょっとずつH×Hにつながる心理戦が増えていった印象。

ここからレベルEを経て、HUNTER×HUNTERへ到達するのか……ダークサイド冨樫の系譜はこうして紡がれていく……

特に面白いと思った点をピックアップしていくぅ!

 

善悪の彼岸を超えて

 

幽遊白書、実は勧善懲悪の物語ではない!

あらすじを見た感じ、悪霊を倒していくという展開になるだろうと思って読み進めていった。

しかし、「悪」とは一体何か?もしかしたら、人間の方が「悪」ではないか?というふうに物語が進行していく。人間の醜さ、俗悪さは僕らが考える幽霊よりも恐ろしいよ!!というのが1つのメッセージだと思う。

この辺が当時の週刊少年ジャンプに画期的だったのではないだろうか。ドラゴンボールなどのように勧善懲悪的なストーリーが流行っていた中で、ちょっと背伸びしたい学生が多分読んでいたんだろうな……と予想。

冨樫先生の人間観察力の鋭さにアッと驚くはず!!

ここで僕の好きな幻海の台詞を引用!!

あんたはあたしを正義といったが そんなつもりは全くないよ
たまたま嫌いな奴に悪党が多いだけの話さ

こういう台詞を主人公サイドの師匠キャラが言うんだからすごいよね……言い回しが好きすぎる!パクろ!!

このマインドは後のH×Hにも受け継がれていく。

 

②冨樫病み病み期

 

幽遊白書を連載していた当時、めちゃくちゃ病んでいたんだろうな……というのが巻頭コメントうかがえるぞ!!

例えば第6巻の巻頭コメント

制作白書シリーズその①~病気編~
 今まで3~4回ピンチがありましたね。最大の故障は、91年の1月から半年続いた腰痛。一番ひどい時は机に向かうことができず床に寝た状態で原稿を描きました。
 最近ではC人気投票発表のカラー原稿の回。ブッシュ風邪でめまいと吐き気に悩まされながら、ほとんど自動書記で描いていました。今は体は一見健康ですが、頭は持病の変態病に悩まされています。

最後、変態病で悩まされていますとお茶を濁している感じが出ているが、本気で肉体的に限界を迎えていたんだと思う(実際変態かもしれないけど)。

さらに16巻の巻頭コメント

 漫画用語事典シリーズその①あ行
アシスタント→作品を手伝ってくれる人。作品の99%を担う場合もある。
胃炎→アシスタントにこの病気が多い程、その作家は一部の読者に評価される。
打ち切り→雑誌の良心
影響→誰も知らない人から受けること。そうすればオリジナルだと思われる。
落とす→作家の良心。賛否は勝手だが、これをステータスと考えるのは、愚かだ。

これを見て『悪魔の辞典』という本を思い出す。ビアス・アンブローズというジャーナリストが書いた辞書形式の本なのだが、とにかくあくが強く、皮肉に満ちている。多分それを真似して冨樫先生も毒を吐いたんだろうな……皮肉を言ってなきゃやってられるか!!という気分だったんだろうな……

週刊連載の恐ろしさを垣間見た気がする。肉体的にも精神的にも追い込まれた冨樫先生。これが漫画を描くということか……

読者は命を削って描いた漫画にめちゃくちゃ感謝してしっかりお金を落とさなきゃね!!

冨樫先生の魂の叫び、命の揺らめきが見れる幽遊白書オススメである。

 

③最終的に壊れました

 

先ほどまで冨樫先生の病み具合を見てきた。

肉体的にも精神的にも追い込まれた冨樫先生はどうしたか!!

物語をすごい勢いで端折っていくのである!!

最後の章に入った途端、バトルシーンや修行シーン、キャラの掛け合いを必要最低限にして、どんどん物語を進め、完結する。

日めくりカレンダーをべりべりめくっていく感じである。ついに壊れてしまったのか冨樫先生!!僕は悲しくなった。

週刊連載には魔物が住んでおり、人間を狂気に追い落とす。その片鱗を見てしまったように思う。

やっぱり作家の人生が何よりも大事である。命には代えられない。一方で、売れなければ作品を読んでもらえない。このバランスをどうとるかというのが非常に難しいのだろう。もしかしたら、週刊連載は無理があるもかもしれない……

幽遊白書を読んでいると、冨樫義博の悲鳴、苦痛が伝わってくる。もう描きたくないんだ、やめてくれ!!という声が。読者として辛かった。

H×Hはどうか悠々自適に描いてほしい!!いつまでも待ちますから!!

 

おわりに

 

冨樫先生が死ぬ思いで描いた漫画、幽遊白書

週刊少年ジャンプを勝ち上がってきただけあってかなり面白かった。

後にH×Hにつながる広大な世界観、魅力的なキャラクター、緻密な設定の片鱗を見ることができる。特に後半の心理戦は見ごたえがある。

やはりジャンプらしからぬ黒さ冨樫義博先生の作品の一番の面白さだと思う。単純な善悪の二元論の世界で終わらない、人間の欲深さや醜さを描くことができる作家であると思う。

魅力が伝わってるといいなぁ!!

皆さんも是非手に取って読んでほしい!!

どいつもこいつもぶった切れ!チェンソーマン①~⑪ 感想

おはよう!こんにちは!こんばんは!KAIです。

最近の日本は閉塞感に覆われている。コロナ禍による不況、政治家の汚職、差別、貧困、少子高齢化、エトセトラ!日本は経済の先進国であると同時に、課題の先進国でもある。上り坂の日本を信じている人間はこの国にはもういない。まあ、一部いるかもだけど……

そんな状況の中、人間社会に生まれ落ちてしまった若者はどのような考えに行き着くだろうか。多分こう。

よっしゃ、チェンソーぶん回したれ!!うりゃあああああああああ!!

というわけで(どういうわけなんだ)、週刊少年ジャンプで連載していた藤本タツキ先生の『チェンソーマン』紹介していくぅ!!

 

 

 

あらすじ

 

「悪魔」と呼ばれる存在が日常に蔓延る世界。少年デンジは死んだ父の借金を返すべく、「チェンソーの悪魔」であるポチタと共に、悪魔を駆除する「デビルハンター」として生計を立てていた。しかし借金は中々減らず、ごく普通の日常を願いながら、叶えるには到底届かなかった。ある日、デンジは仕事を斡旋していたヤクザに騙され、「ゾンビの悪魔」によってポチタと共に殺害されてしまう。しかし、ポチタはデンジの血を飲んで蘇生し、契約と引き換えにデンジの心臓となる。復活したデンジは「チェンソーの悪魔」へと変身する力を手に入れ、ゾンビの集団を一掃する。デンジは現場に駆け付けた公安のデビルハンターであるマキマに導かれ、その身を管理されることになる。
 東京の公安本部へ移ったデンジは、マキマの命令を受けて先輩の早川アキ、デンジのバディとして選出された「血の魔人」パワーと同居する。公安ではかつて7分間で110万人を殺した「銃の悪魔」の討伐を掲げ、世界各地に散った銃の悪魔の肉片を集めていた。一方で銃の悪魔に従う悪魔や契約した人間、さらにデンジと同じ「人間でも悪魔でもない者」らがデンジの心臓を狙っていた。(by Wikipedia)

 

魅力あふれるキャラクターたち

 

デンジ(主人公)
借金を背負って、自分の臓器を売りながら生活していた超絶貧乏を経験している。チェンソーの悪魔であるポチタを助けたことで契約を交わす。ヤクザに一度殺されたが、ポチタに心臓を与えたことでチェンソーの悪魔になる力を手に入れる。パンにジャムを塗って食べるのが夢というくらい貧乏だった。欲望に忠実。あっけからんとしている。マキマが大好き。浮気性。

パワー
血の魔人マキマに保護され、デビルハンターとして訓練を受ける。デンジと同居し行動を共にする。猫のにゃーこが大好き。虚言癖。無責任。差別主義者。プライドが高い。野菜嫌い。でもかわいい!!

早川アキ
家族を銃の悪魔によって殺され、復讐からデビルハンターになる。パワーやデンジと一緒に暮らし、面倒を見ている。冷徹に見えて情に厚い。マキマが大好き。喫煙者。

マキマ
デンジの上司。内閣官房長官直属のデビルハンター。ミステリアス美人。デンジを映画館デートに誘ったり、江ノ島に誘ったりする。犬にめちゃくちゃ好かれる。目がグルグルで怖い……

 

感想

 

こんなに痛快な漫画は初めてである!!躍動感のある絵から、キャラクターの細かな表情、予想がつかない展開、まさにジェットコースターのような漫画である。

藤本タツキ先生の前作、『ファイアパンチ』は終盤、形而上学的というか、抽象的というか、よくわからない展開になって終わってしまった(まあ。ジャンプ+で読んだだけなので自分の読解力がないだけなのかもしれない……)。そんな前作とは対照的にチェンソーマンは分かりやすさがずば抜けている!!

しかし、表面的に見れば分かりやすいのだが、凝視すると奥が深い。魅力に満ち満ちた漫画である。そこでチェンソーマンの魅力を3つにまとめてみた!!

 

①デンジという最高のキャラクター

 

まずは、主人公であるデンジのキャラスター性であろう。

生い立ちが壮絶!!しかし、キャラクターから壮絶さを感じさせない。自分の臓器を売ったり、残飯をあさったり、学校に行かずデビルハンターとして働いたり、と散々な人生であり、最後には殺されてしまう。

結局、ポチタと契約しチェンソーマンとして復活するのだが……そんな人生体験から夢が、パンにジャムを塗って食べること、だったりする。泣かせるぜ……

そうか、パンにジャムを塗って食べれることは幸せなんだ!と実感させてくれる。自分の境遇に不満を持ったらデンジを見てまず頑張ろうと思える。当たり前のことが当たり前ではないことに気づかせてくれる!!

デンジは僕からすると最悪の人生なのだが、悲壮感がまるでない。めちゃくちゃ前向きで素直。しかし決して馬鹿ではない。戦いに際して、機転を利かして逆転することが多い。このギャップがたまらん!!メンタリティを見習っていきたいものである。

デンジは貧乏な若者の象徴でもある。非正規労働者労働人口の4割を超え、ワーキングプアという言葉さえ生まれた。一向に景気は上向かないが、そんな時、デンジを見て勇気を貰おう!!現状を嘆いてもしょうがない、前向きにチェンソーぶん回しながら頑張ろうと!

 

②映画ネタ炸裂!

 

チェンソーマンは映画をあまり見ない僕でも気づくくらい映画ネタを盛り込んでいる。

僕が気づいたのはシャークネードという映画である。


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サメがハリケーンとともに空を飛び、人々を襲い掛かるというあらすじからしてB級臭漂う映画なのだが、あからさまに影響を受けたようなシーンをチェンソーマンで見ることができる。

おそらく、原稿を書き上げながら、見てたんだろうな……こういう作者の趣味全開の作品は作者の楽しさが伝わってきて、大好きです!!

デンジの上司であるマキマが映画を見るシーンがあるし、ファイアパンチトガタというキャラも映画好きという設定だった。タツキ先生は本当に映画が好きなんだろうな……

チェンソーマンの元ネタになったであろう映画を探すのも楽しいかも!!

 

③怒涛の急展開

 

昔、岡本倫先生の極黒のブリュンヒルデを読んでいて、急展開のラッシュに度肝を抜かれたことがあったが、チェンソーマンはその比ではない!!

え、そこでそうなるの!?という読者の予想をいい意味で裏切る展開の数々にページをめくる手が止まらないぜ!!

読み終わった後、内容を消化するのに時間がかかり、ポカンとすること数知れず!

そういえば、クズの本懐などで知られている漫画家、横槍メンゴ先生がチェンソーマンを毎週読んで、阿鼻叫喚、捧腹絶倒、気炎万丈、天真爛漫なツイートをしていたことを思い出す(四字熟語言いたいだけ……)。

現役の漫画家が熱中してしまう漫画、それがチェンソーマンだ!!

ここではネタバレになってしまうので詳細は書かない。是非、買って読んで自分の目で確かめてほしい!!

衝撃に備えよ!!

 

おわりに

 

ここ数年で一番面白い漫画と言っても過言ではないチェンソーマンだが、なんとアニメ化するらしい!やった!!

ありがとー、ありがとーッ、ありがとおおお(これはとある漫画の最終回の表現です。あててみてね)

chainsawman.dog

 

鬼滅の刃→呪術廻戦ときて、次はチェンソーマン。絶対大ヒットするに違いない!!動くデンジとかパワーちゃんが見れるのか……最高だな!!

週刊少年ジャンプ何度目かの黄金時代到来を予感させる。チェンソーマンは完結してしまったが、いつか第二期が始まるらしい。アニメ見て気長に待つぞー!

読むとチェンソーをぶん回したくなるくらいテンションの上がる漫画、チェンソーマンめちゃくちゃオススメなので是非読んでみてください!!

冨樫義博のおもちゃ箱!?レベルE 感想

おはよう!こんにちは!こんばんは!KAIです。

やることはいっぱいあるもののついつい見てしまうのがYouTube!僕が最近ハマっているのが

HUNTER×HUNTERの考察動画です!!

 

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このチャンネルを見ながら、あー連載再開いつかなーと心待ちにしています!冨樫先生、僕はいつまでも待つよ!

ということで冨樫義博先生の遊び心に満ちた作品『レベルE』を紹介していくぅ!

 

レベルE 上 (ジャンプコミックスDIGITAL)

レベルE 上 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

 

 

あらすじ

 

地球には実は数百種類の異星人が生活しているが、地球人は気づいていないという設定。好奇心旺盛なドグマ星第一王子は、宇宙一の天才的な頭脳を使って周りにいたずらして回る性悪。彼が行く先々でトラブルが絶えない。

異星人と地球人の交流、王子のいたずら、異星人の習性などなど、様々な短編がまとめられている。

 

感想

 

冨樫先生の自由な遊び場、レベルEをついに読んだぞ!!幽遊白書HUNTER×HUNTERで知られている冨樫先生であるが、レベルEという作品を両作品の間に描いていた。

全部で3巻。短いじゃん!すぐ読めると思って手を出した僕。そこには冨樫ワールドが広がっていた!

俺は自由だ!という冨樫先生の叫びが聞こえてくる感じ!いろいろ遊び心に満ちた小ネタが仕込まれていたし、多くの気づきがあったのでそれを紹介していくぅ!

 

多数登場!文豪パロ

 

読んでいて、これは!と最初に気づいたのが、文豪の名前をもじっていることである。

野球部で甲子園を目指す球児、筒井雪隆というキャラクターが出てくるが、おそらく『時をかける少女』でお馴染みの筒井康隆が元ネタだろう。

冨樫先生は筒井康隆作品のパロディを幽遊白書で行っていたと記憶している。よほど好きなんだろうな……

また、高校生で科学者の娘、江戸川美歩というキャラクターが出てくる。明らかに『人間椅子』や『怪人二十面相』で有名な江戸川乱歩が元ネタだろう。

Wikipediaを見たところ、新人発掘として筒井康隆の才能を見出した人の一人であることから、冨樫はよっぽど好きなんだろう!!

また、学校の先生の中に坂本奄悟というキャラクターが出てくる。これは坂口安吾が元ネタかな!?そして、坂本奄悟の知り合いでめちゃくちゃ太宰治にそっくりなキャラが出てくる。名前は明かされていなかったが、多分意識的に描いているのだろう。

Wikipediaによると(ソースがWikiですみません)、坂口安吾太宰治無頼派と呼ばれるカテゴリーらしい。

これだけ文豪の名前をもじっているからきっと冨樫先生は文学少年だったに違いない!!

 

お笑い大好き!

 

レベルE2巻を読んでいると、見開きで気持ち悪いクリーチャーが多数出てくるシーンがある。冨樫先生の画力に圧倒されるのだが、そのクリーチャーの2匹の顔に見覚えがある。

これはお笑い芸人の今田耕司東野幸治じゃないか!?

レベルE週刊少年ジャンプにて連載されていたのは1995年から1997年である。多分このころ、冨樫先生は若手として活躍していた今田・東野Wコージが好きだったんだろうな……

よしこの顔、化け物の顔に使えるな!!と思った冨樫は作品に取り入れたのだろう。好きなものはどんどん入れちゃえの精神大好きです!好きなものと好きなものを組み合わせたらもっと好きに違いない!という気持ちはよくわかる。多分カツカレーとか好きなんだろうな……

そういえば、HUNTER×HUNTERの名前の由来はダウンタウンの「なんで2回言うねん」というツッコミかららしい。やっぱり冨樫はお笑い好きなんだな!!

 

RPG大好き!

 

冨樫義博と言えば設定。設定と言えば冨樫義博。と言われるくらい冨樫先生は作品のゲームの設定を作りこむことで有名である。

例えば、HUNTER×HUNTERグリードアイランド編!見開きのインパクト!作りこまれた設定は圧巻だった!!細かくカードの効力が書かれているページをちゃんと読むのは骨が折れたという読者も多いと思う。

グリードアイランドほどではないが、レベルEの中においても、RPGのような設定を見ることができる!!1つの短編で消化してしまうにはもったいないくらいの設定の作りこみ!是非見てほしい。

本編の中でRPGツクールという言葉が出てきた。

RPGツクールとは

「様々な命令、画像、音楽を組み合わせてオリジナルのRPGを制作することができる。画像、音楽はあらかじめ用意されたものの他、自分で作ったものも使用できる。作成したRPGは遊ぶだけなら本ソフトを必要としないため、友人に遊ばせたりインターネットで配布したりすることができる。」

というものであるらしい(By Wikipedia)。

1990年代に生み出されたらしいので多分冨樫はこのツールを使ってRPGづくりに精を出していたに違いない!

 

絵をちゃんと描きたい!!

 

レベルEで興味深かったのは、3巻の作者コメントである。

私の頭の中には、田所さんと今井さん(どちらも仮名)という二人の人物がいる。田所さんは絵を描くのが専門今井さんは企画や話を考える。田所さんは自尊心が強く根性なし。今井さんは軽薄で節操がない。たまに二人が仕事の事で口論をすることがある。ひどい時には私も加わって大論争になるが、第三者が見ると、不気味な独り言なのだ。宿主の私としては絶対他人に見せられない光景である。

この話はなかなか貴重である。

冨樫義博先生は作りこまれた世界観、設定、伏線が巧みな漫画家でありそれを売りにしている方だと思っていた。本人はそっちに力を入れて描いているものだと思っていた。

しかし、それと同じくらい絵に対しても情熱がある人だということがこのコメントから分かる。レベルEを見ていても、人物の表情や化け物の造形は見事なまでに描きこまれている。

一時期、HUNTER×HUNTERキメラアント編で線が異様に少なく、ネームの状態での作画が目立った。それはおそらく、本人としてはかなり嫌だったに違いない。

冨樫先生!!体調に気を付けてゆっくりじっくり絵を仕上げてください!!待ってます!!

 

おわりに

 

レベルEを読んでいると、冨樫先生の楽しそうな作業風景が浮かんでくる。月一連載だったらしいので多分、気ままに楽しく描けたのではないだろうか。今作に出てくる自由なドグマ星第一王子冨樫義博そのものなのかもしれない。

しかし、よくよく考えてみると、週一で連載をしているというのは素人でも厳しいということが分かる。漫画家は命を削って漫画を描いているんだなと改めて思う。すべての漫画家さんありがとう!!!

冨樫義博先生の「好き」がギュッとつまった夢のおもちゃ箱を皆さんも開けてみよう!!

生まれ落ちたら箱の中!?キューブ 感想

おはよう!こんにちは!こんばんは!KAIです。

突然ですが、お正月ってダラダラ過ごしがちですよね……せっかく3日間あるのに餅を食べるか、初詣に行くか、寝るかしかしてない!!もったいない!!という経験はあると思います。

僕も今年のお正月はそんな感じで3日間を終えることになりそうだと感じたので、映画を見よう!と思いまして……

キューブ(CUBE)

という作品を見ました。カナダの映画で1997年に公開されました。監督はヴィンチェンゾ・ナタリ1時間半とかで終わるし、アマプラで見れるので気軽に見ていたら傑作傑作!自分なりに考察してみました。

それでは紹介していくぅ!

 

キューブ (Cube)

キューブ (Cube)

  • メディア: Prime Video
 

 

 

あらすじ

 

性格や生い立ちが大きく異なる6人の見ず知らずの他人が、知らぬ間に立方体の死のトラップが張り巡らされた出口のない迷宮に放り込まれる。

どう迷宮に来たのか記憶がない彼らは、出口を見つけねばならない。

 

 

感想

 

ちょっと間違えると死んでしまう立方体に閉じ込められてしまった男女6人が脱出するという脱出ゲーム系の作品。

立方体を抜けるとまた立方体があり、どうやら規則性がある模様。立方体の中にはトラップが張り巡らされているものもあるので、油断していると死んでしまう。ハラハラドキドキしながら見れるぞ!!

脱出ゲームとかデスゲームとか、謎解きが好きな人は見るのが吉!!

あと、めちゃくちゃシンプル!!CGもそんなにリアルでなく、場面もほぼ立方体の中で、キャストも6人しかいない。かなり低予算をうかがわせる。

しかし!低予算=駄作ではない!この映画はシンプル故に監督のメッセージがダイレクトに伝わった。

僕はこの映画から3つのメッセージを読み取った!!

 

①公共事業って無駄が多い

 

6人の人間を閉じ込め、殺しにかかる立方体。実はこれは政府の公共事業であることが後に明かされる。

政府が有効需要を生み出すために行われる公共事業。しかし、雇用は創出したが、実際のところ何が建設されたのかという実態は知られていない。

一時期、無駄な橋や無駄な道路を作っていることがメディアに取り上げられたことがある。

本当に無駄かどうかは置いといて、公共事業はブラックボックスしているような気がしてならない。

雇用を生み出されればいいから、働いている当人も何作ってるんだろ……というふうになりかねない。仕事を生み出すことができればそれでいいのだろうか。

実は、死のトラップが張り巡らされたキューブは身近なところにあるのかもしれない。


②そもそも労働の意味って何だろう

 

①では公共事業が実は無駄なことをして無理矢理、需要を作り出しているのかもしれないということを示した。

もしかしたら、公共事業に限らず、労働に意味はあるのかという問いかけを監督は意図しているのかもしれない。

人々が働く理由は何だろうか。給料のため??自分の技術を高めるため??自己実現??

さまざまな理由から行われる労働。

多くの働く人は自分の労働がその後、どうなったのかを知らないのではないだろうか。

あなたの仕事は本当に役に立っていますか??というのが監督のメッセージではないだろうか。

キューブを作った人間は自分の仕事がその後、人々の役に立ったのかというところに無関心だった。

とりあえず給料がもらえるから開発に参加しただけ。それが人間を苦しめる構造となって襲いかかっている。資本の増殖のサイクルに飲み込まれた人間の行き着く先がキューブなのかも!?

最近、ブルシットジョブという言葉が流行した。「クソどうでもいい仕事」と訳され、世の中の仕事の大半はクソどうでもよく、しかし、クソどうでもいい仕事ほど高給であるということを示している。

あなたの仕事は役に立っていますか??働くことの意味は何ですか??ブルシットジョブじゃないですか??

というメッセージはビジネスパーソンの心を打つはず!

 

③そもそも人生の意味って何だろう

 

もしかしたら、キューブとは人生の隠喩ではないか。

人間は生まれる環境、親、地域を選ぶことはできない。

どんな理不尽、不幸、不条理、事故を被らなければならないか知る由もない。そんな状態で生まれ落ちる人間はもしかしたら元々キューブの中に閉じ込められているのかもしれない。

無機質で冷たく、人間に襲い掛かってくる立方体は人生の不条理さを表しているのだとしたら……僕らはどう生きればいいんだ!!

その答えらしきものは映画のラストに描かれているように思う。

是非見てほしい。

 

おわりに

 

短い映画なのになかなか考えさせてくれる映画だった。映画を普段、そんなに見ない僕でも引き込まれてしまう作品だった。

若干、考察が適当になってしまっているのは申し訳ない。お正月に見た映画の考察を4月にするという愚行を犯しているため、粗い文章になってしまっているかも。

面白い映画だから是非見てね!!感想を聞かせて!!

 

BLEACHっぽい詩を作ってみた①

おはよう!こんにちは!こんばんは!KAIです。

今回はBLEACHっぽい詩作りに挑戦したいと思います!

みんな大好きBLEACH。おしゃれでカッコよくて、スタイリッシュな漫画ですよね。僕の世代の人は一度は憧れたはず!!

そんなBLEACHは単行本の頭にそれぞれキャラクターのポエムを載せることで有名です。巧みな言葉遣いによって織りなされるポエムは少年に憧れを大人に悶絶を与えたのです。流石、久保帯人先生だぜ……

俺もそういうポエム作りたい!!中二病と思われても、黒歴史となろうとも作りたい!!そう思ってしまったので挑戦したいと思います!!

 

BLEACH モノクロ版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
 

 

 

BLEACHのポエムの特徴

 

BLEACHのポエムを見ているといくつか特徴が見えてきます。

marutopi.com

 

例えば5巻、RIGHTTARM OF THE GIANT のチャドの詩

剣を握らなければ おまえをまもれない
剣を握ったままでは おまえを抱き締められない

「剣を握らない」→守れない
   ↕       ↕
「剣を握る」→抱き締められない

この詩は上のような構造になっていることが分かります。「剣を握るor握らない」、「守れないor抱き締める」という対立構造を入れることでどうしようもできない心のモヤモヤを表現していると考えられます。

○○〇〇→△△△△
  ↕    ↕
●●●●●●→▲▲▲▲

とりあえずこの構造をパクればきっとBLEACHっぽい詩が作れるに違いない!!

 

とりあえず作ってみました……

 

BLEACHのポエムの特徴は他にもありますが、とりあえず上記を踏まえた詩を作りました!!

 

テーマは「卒業」です……

 

 

BLEACH X巻「THE ENDLESS JOURNEY OF Kudos And Ideal」

 

もらったものは 卒業証書とわずかな知識

おいていったものは 青春と矜持とあと一つ

 

 

解説

 

中学生の頃ならば、何の恥じらいもなく発表できたのでしょうが、大人になった今、キーボードで一字一字打つごとに後悔が押し寄せてくる。恥かしすぎ……そんな憐みの目で見ないでよ!!

まあ、自分で解説したいと思うのですが、

上記の構造を入れることに注意しました。「もらうorおいていく」と卒業に伴って「得たものor失ったもの」という対立構造を入れることでBLEACHっぽさを演出。

「おいていったもの」であと一つってなんやねん!!って話ですが、

それは音読した時に語呂がいいようにするためと含みを持たせたかったからです。あんまり深い意味なし!!久保帯人先生はもらったものとおいていったものの個数にも意味を持たせる技術があるんだろうな……

そしてX巻のタイトル「THE ENDLESS JOURNEY OF Kudos And Ideal」ですが、「Kudos And Ideal」の頭を取ると僕の名前KAIになっているという小細工をしてみました。なんとなくカッコいい英単語を選んだだけで深い意味はないです。すみません……

卒業することで社会の歯車となってしまう社会人1年目の悲哀を描こうとしたりしなかったりしています。雰囲気だけです!すみません……

 

おわりに

 

また、新しい黒歴史をネットの海に放流してしまったわけであるが、結構楽しかった!!

結局、僕はいつまでも中二病んだよね!

久保帯人先生に遥に及ばない産業廃棄物を作ってしまったが、もっと表現に磨きをかけてそれっぽい詩を作れるように頑張ろうと思った。

また、BLEACHっぽいなと自分が思う詩が思いついたら、noteに投稿しようかな……やっぱり恥ずかしいからやめようかな……

 

BLEACH ブリーチ コミック 全74巻 完結セット

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  • 発売日: 2016/11/06
  • メディア: コミック
 

 

バトル漫画のような理論と理論のぶつかり合い!20世紀論争史 現代思想の源泉 感想

おはよう!こんにちは!こんばんは!KAIです。

突然ですが、僕はバトル漫画が大好きなんです。ジョジョの奇妙な冒険ドラゴンボールONE PIECEBLEACHHUNTER×HUNTERなどなど、そこそこ読んでますし、もっともっと読みたい!!

バトル漫画の面白さの1つがどっちが強いんだ!?という純粋な問いにあると思います。才能あるキャラとキャラのぶつかり合いにワクワクしてしまいます。

今回紹介する本も、そんなバトル漫画のワクワクが詰まったものとなってます!まあ、中身は20世紀の科学、哲学、思想の論争なんだけどね………それでは紹介していくぅ!

 

 

 

あらすじ

 

 20世紀の思想がそれまでに比べて複雑なのは、コンピュータや遺伝子操作などの科学技術が飛躍的に発展した結果、そもそも人間とは何か、知性とは何か、存在とは何か……といった問いが複雑化し、本質的に深まった点にある。
 もはや「科学を視野に入れない哲学」も、「哲学を視野に入れない科学」も成立しない時代を迎えた今、改めて世紀を代表する知の巨人たちが繰り広げた原点の論争を振り返る。この「知」の戦いの記録は、現代思想を理解するために必須のものである。コーヒーをこよなく愛する「教授」と明晰な「助手」が織り成す時にユーモラスで知的な対話、世紀を渉猟する全30話を収録する。

 

感想

 

 20世紀の30もの論争が教授と助手の対話という形式で掲載されている。20世紀とはどんな時代だったのかざっと知りたい人にはオススメだ!!

本書の魅力の一つは天才学者の名前がズラズラ出てくるところである。「登場人物、全員天才。」というキャッチコピーが付きそうなくらい!!そんな天才たちが自分の理路整然とした理論を知的にぶつけ合う様はまるでバトル漫画のようッ!

バトル漫画好きにはオススメである。ここでは、何個かの論争をピックアップしたいと思う!!

 

「認識」とは何か? ボーアVSアインシュタイン!!

 

量子論の分野において起こった論争。1927年にドイツのヴェルナー・ハイゼンベルクが「不確定性定理」を発見した。

教授:
光は電磁波の一種だから、ミクロの対象の位置を精密に測定したければ、対象が一回の波の振動に埋もれないように、短い波長の光を使う必要がある。ところが、波長が短くなればなるほど、振動数が多くなり、エネルギーが高くなるため、対象の位置を乱してしまう。
(中略)
助手:
ミクロの世界では、あまりに観測する対象が小さすぎるために、測定のために用いる光や電磁波そのものが対象を乱してしまう(中略)…(p151)

このような原理を不確定原理というらしい。あんまり小さすぎると人間の観測には限界があるよっ!!ということを示した原理である。

この原理には二種類の解釈が存在する。

アインシュタイン実在的解釈

人間の観測精度の限界によってミクロの対象のの位置と運動量は本来決まっているのにもかかわらず、それを同時に知ることはできない。

ボーア相補的解釈

ミクロの対象の位置と運動量は本来的に決まっているのではなく、さまざまな状態が「共存」していて、どの状態を観測することになるかは決まっていない。

アインシュタインはミクロの物質は実在していると考えたのに対し、ボーアはミクロの物質は誰も見ていないとき、さまざまな場所に同時に存在していると考えた。

ボーアはミクロの物質をさまざまな場所を満たすように存在し、観測することである一つの形をとると考えたのである。そしてこれは量子力学の基本原理となった。

誰も見ていないものであってもそこに実在しているはずだと思うのが普通ではないだろうか。例えば、今、キーボードをカタカタ打っているわけだが、そのキーボードは僕が見るのを止め、お風呂にでも入った途端、実在しなくなり色んな場所に浮遊したような存在になるだろうか。そんなわけない!と思ってしまうのだが、ミクロの世界ではそのように解釈されているという。

ミクロとマクロで原理が異なるというのは不思議だなぁ……

 

「進化」とは何か? ドーキンスVSグールド!!

 

ドーキンス「漸進的進化論」
生物は、常に環境に適応するように「選択圧」を掛けられているので、その形態は少しずつ変化していく。「進化」は漸進的に生じる。

グールド「断続平衡説」
「偶然」による種の大量絶滅が、地球上の生物に大きな影響を及ぼした。何らかの種が絶滅すると、短期間で新しい種が爆発的に増える。「進化」は断続的に生じる。

両者は進化は「偶然」起こるという点で一致しているが、漸進的か断続的かで異なっている。

もし、仮にグールドの説が正しいとすると、

人類を意図的に絶滅に追い込んで、それに適応し進化した新しい人類を生み出そうという連中が出てきそう……意図的に進化をコントロールしようというマッドサイエンティスト集団が表れて、人類を皆殺しにし、新たな人類の進化を促す。それを防ぐため一人の天才が立ち上がる!?

っていう物語どうですか!!なんか面白そうじゃない??その一人の天才は論争に破れたドーキンスの息子とかで、父の雪辱を果たす!!みたいな意気込みでさ!!

 

「正義」とは何か? ロールズVSサンデル!!

 

ロールズ→リベラル
あらゆる情報が「無知のベール」によって覆われているとき、人間はどのような社会を生きたいと思うだろうか。貧富の差が激しい社会だったら、富裕層に生まれれば幸運だが、貧困層に生まれれば悲惨である。だから、最も恵まれない個人の利益を最大化する社会を人々は選ぶだろう。人間は他者の自由を侵害しない限り自由であり、もっとも恵まれない人へ配慮する社会が正義だ!!

サンデル→コミュニタリアン
私が私でいるためには、私の人種や性別、容姿や性格、体力や能力、血統や家柄などの「共同体」における立場が不可欠である。そのような自覚なしに道徳的判断はできない。共同体における個人の善、それが正義だ!!

ロールズとサンデルの論争は現代社会に大きな影響を及ぼしている。アメリカ・ファーストを主張していたトランプ前大統領はまさに共同体の善を説いていた。アメリカの分断が起こった要因の一つと言える。

個人的にはコミュニタリアリズムはあんまり好きではない。共同体なるものと国家は結びついており、偏狭なナショナリズムを生みそうだからだ。

一方で、リベラリズムもあんまり好きではない。最も恵まれない個人のための社会を作らなきゃいけないはずなのに、それが全くできていないからだ。偽善っぷりにはうんざりである。

両者の膠着状態が現代社会の閉塞感を生んでいるのかもね!!!!

 

おわりに

 

他にも魅力的な論争がいっぱいあった。

ベルクソンVSラッセ

ウィトゲンシュタインVSポパー

カントールVSブラウアー

ゲーデルVSフォン・ノイマン

カミュVSサルトル

などなど

こうした論争を見ていくと現代思想の流れをつかみつつ、今につながる問題点が見えてくる……はず……

天才たちによる血肉湧き踊る「戦い」の歴史を是非みなさんも味わってほしい。