冨樫義博のおもちゃ箱!?レベルE 感想

おはよう!こんにちは!こんばんは!KAIです。

やることはいっぱいあるもののついつい見てしまうのがYouTube!僕が最近ハマっているのが

HUNTER×HUNTERの考察動画です!!

 

www.youtube.com

 

このチャンネルを見ながら、あー連載再開いつかなーと心待ちにしています!冨樫先生、僕はいつまでも待つよ!

ということで冨樫義博先生の遊び心に満ちた作品『レベルE』を紹介していくぅ!

 

レベルE 上 (ジャンプコミックスDIGITAL)

レベルE 上 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

 

 

あらすじ

 

地球には実は数百種類の異星人が生活しているが、地球人は気づいていないという設定。好奇心旺盛なドグマ星第一王子は、宇宙一の天才的な頭脳を使って周りにいたずらして回る性悪。彼が行く先々でトラブルが絶えない。

異星人と地球人の交流、王子のいたずら、異星人の習性などなど、様々な短編がまとめられている。

 

感想

 

冨樫先生の自由な遊び場、レベルEをついに読んだぞ!!幽遊白書HUNTER×HUNTERで知られている冨樫先生であるが、レベルEという作品を両作品の間に描いていた。

全部で3巻。短いじゃん!すぐ読めると思って手を出した僕。そこには冨樫ワールドが広がっていた!

俺は自由だ!という冨樫先生の叫びが聞こえてくる感じ!いろいろ遊び心に満ちた小ネタが仕込まれていたし、多くの気づきがあったのでそれを紹介していくぅ!

 

多数登場!文豪パロ

 

読んでいて、これは!と最初に気づいたのが、文豪の名前をもじっていることである。

野球部で甲子園を目指す球児、筒井雪隆というキャラクターが出てくるが、おそらく『時をかける少女』でお馴染みの筒井康隆が元ネタだろう。

冨樫先生は筒井康隆作品のパロディを幽遊白書で行っていたと記憶している。よほど好きなんだろうな……

また、高校生で科学者の娘、江戸川美歩というキャラクターが出てくる。明らかに『人間椅子』や『怪人二十面相』で有名な江戸川乱歩が元ネタだろう。

Wikipediaを見たところ、新人発掘として筒井康隆の才能を見出した人の一人であることから、冨樫はよっぽど好きなんだろう!!

また、学校の先生の中に坂本奄悟というキャラクターが出てくる。これは坂口安吾が元ネタかな!?そして、坂本奄悟の知り合いでめちゃくちゃ太宰治にそっくりなキャラが出てくる。名前は明かされていなかったが、多分意識的に描いているのだろう。

Wikipediaによると(ソースがWikiですみません)、坂口安吾太宰治無頼派と呼ばれるカテゴリーらしい。

これだけ文豪の名前をもじっているからきっと冨樫先生は文学少年だったに違いない!!

 

お笑い大好き!

 

レベルE2巻を読んでいると、見開きで気持ち悪いクリーチャーが多数出てくるシーンがある。冨樫先生の画力に圧倒されるのだが、そのクリーチャーの2匹の顔に見覚えがある。

これはお笑い芸人の今田耕司東野幸治じゃないか!?

レベルE週刊少年ジャンプにて連載されていたのは1995年から1997年である。多分このころ、冨樫先生は若手として活躍していた今田・東野Wコージが好きだったんだろうな……

よしこの顔、化け物の顔に使えるな!!と思った冨樫は作品に取り入れたのだろう。好きなものはどんどん入れちゃえの精神大好きです!好きなものと好きなものを組み合わせたらもっと好きに違いない!という気持ちはよくわかる。多分カツカレーとか好きなんだろうな……

そういえば、HUNTER×HUNTERの名前の由来はダウンタウンの「なんで2回言うねん」というツッコミかららしい。やっぱり冨樫はお笑い好きなんだな!!

 

RPG大好き!

 

冨樫義博と言えば設定。設定と言えば冨樫義博。と言われるくらい冨樫先生は作品のゲームの設定を作りこむことで有名である。

例えば、HUNTER×HUNTERグリードアイランド編!見開きのインパクト!作りこまれた設定は圧巻だった!!細かくカードの効力が書かれているページをちゃんと読むのは骨が折れたという読者も多いと思う。

グリードアイランドほどではないが、レベルEの中においても、RPGのような設定を見ることができる!!1つの短編で消化してしまうにはもったいないくらいの設定の作りこみ!是非見てほしい。

本編の中でRPGツクールという言葉が出てきた。

RPGツクールとは

「様々な命令、画像、音楽を組み合わせてオリジナルのRPGを制作することができる。画像、音楽はあらかじめ用意されたものの他、自分で作ったものも使用できる。作成したRPGは遊ぶだけなら本ソフトを必要としないため、友人に遊ばせたりインターネットで配布したりすることができる。」

というものであるらしい(By Wikipedia)。

1990年代に生み出されたらしいので多分冨樫はこのツールを使ってRPGづくりに精を出していたに違いない!

 

絵をちゃんと描きたい!!

 

レベルEで興味深かったのは、3巻の作者コメントである。

私の頭の中には、田所さんと今井さん(どちらも仮名)という二人の人物がいる。田所さんは絵を描くのが専門今井さんは企画や話を考える。田所さんは自尊心が強く根性なし。今井さんは軽薄で節操がない。たまに二人が仕事の事で口論をすることがある。ひどい時には私も加わって大論争になるが、第三者が見ると、不気味な独り言なのだ。宿主の私としては絶対他人に見せられない光景である。

この話はなかなか貴重である。

冨樫義博先生は作りこまれた世界観、設定、伏線が巧みな漫画家でありそれを売りにしている方だと思っていた。本人はそっちに力を入れて描いているものだと思っていた。

しかし、それと同じくらい絵に対しても情熱がある人だということがこのコメントから分かる。レベルEを見ていても、人物の表情や化け物の造形は見事なまでに描きこまれている。

一時期、HUNTER×HUNTERキメラアント編で線が異様に少なく、ネームの状態での作画が目立った。それはおそらく、本人としてはかなり嫌だったに違いない。

冨樫先生!!体調に気を付けてゆっくりじっくり絵を仕上げてください!!待ってます!!

 

おわりに

 

レベルEを読んでいると、冨樫先生の楽しそうな作業風景が浮かんでくる。月一連載だったらしいので多分、気ままに楽しく描けたのではないだろうか。今作に出てくる自由なドグマ星第一王子冨樫義博そのものなのかもしれない。

しかし、よくよく考えてみると、週一で連載をしているというのは素人でも厳しいということが分かる。漫画家は命を削って漫画を描いているんだなと改めて思う。すべての漫画家さんありがとう!!!

冨樫義博先生の「好き」がギュッとつまった夢のおもちゃ箱を皆さんも開けてみよう!!