ウルフ・オブ・ウォールストリート感想

 英語の授業の課題で、ビジネスに関連する映画を見てその感想を300語で書くというものが出された。めんどいッっと思いながら、Amazonプライムで適当に選んだのがこの映画!『ウルフ・オブ・ウォールストリート』!その感想を書いていくぅ!

 

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             原題『The Wolf of Wall Street』

 

                 あらすじ 

 金持ちになるという野望を持っていた主人公、ジョーダン・ベルフォートは大手投資銀行、LFロスチャイルドに入社。資格を取るため半年間あらゆるノウハウを吸収する。しかし株式仲買人としての初の仕事の日にブラック・マンデーに襲われ会社は倒産、露頭に迷うこととなる。仕事探しの中、誰も書いたがらないクズ株を売りつける会社と出会う。取り分は50%だといわれ、その場で電話をかけ、巧みなセールストークによって2000ドルを稼ぐ。そこに勝機を見出したジョーダンは、街のクズたちを集めて会社を起こす。当初はクズ株は貧乏人にしか売っていなかったが、セールストークによって金持ちにも売りつけるようになる。次第に成長していく会社。薬と女に溺れるジョーダン一行。「ウォール街の狼」と畏れられていく彼らの運命は!

 

                  感想  

 金持ちの心理と株式がよくわかる映画だった。よく素朴なプロレタリアートが「何故金持ちは人生楽しめるだけの金を持っていてもなお稼ごうとするのだろう」と疑問に思うのだが、それの答えの1つがこの映画で提示されている。主人公のジョーダンはとにかく破天荒な生き方を選ぶ。毎日ドラッグをキメ(余談だがルードというインドの睡眠薬は服用して最初の15分寝るのを我慢するとかなりハイになれるらしい)、奥さんがいるにも関わらず、乱交キメセクを繰り返す。会社の中で取引終了後、社員と一緒に、酒を飲み、踊り、薬をキメ、娼婦を抱く姿は文明の服を着た野性剥き出しの動物である。金の使い方もすごい。自家用クルーザー、小学校の敷地くらいある家、ダイヤの宝石、薬物、女、薬物、女とあらゆるものを豪快に買う。仏がその様子を見たら、救済を断念するだろう。神がその様子を見たら、地獄行きチケットを発行するだろう。欲の深さがグランドキャニオンッ!

 そのような刺激的な生活を保証するのが金である。違法、脱法おかまいなく、詐欺であろうが、人の道に逸れていようが関係ないねッ!という態度で株を売り捌いていくその姿はまさに外道なのだが、どこか痛快である。劇中で、主人公は妻のおばさんに「あなたは薬物中毒でもあるけれど、お金中毒だわ」的なことを言われる。金は薬、女といった刺激を生み出す刺激的な手段でありつつ、金を稼ぐ行為そのこともまた刺激的なのである。何故、ブルジョアは一生遊べる金があるのに金を稼ぐのかという答えは、ジョーダンの場合金を稼ぐ行為が刺激的であり、欲望の手段としての金ではなく、欲望そのものとしての金という認識だからであるといえる。マルクスのいう資本の物神性とはまさにこのことだろう。

 また映画の冒頭でとても面白いことを言っていた。ジョーダンが当初勤めていた会社、LFロスチャイルドの上司の言である。「6ドルで買った株が12ドルになる。買ったやつは喜ぶがここで頭を使ってさらに、その利益を36ドルにしませんかと持ちかける。こうすれば、我々は現実の手数料として儲けられるが、株を買ったやつは、幻想の中だ。」大体こんな感じのこと。よく新聞などで、株価が〇〇の期待感から上昇したというような文言を見かける。このことから分かるように、株価の動きとは投資家たちの脳内の産物であり、実体経済がどうであれ関係ないのである。ウォール街の人間は、買い手の幻想を膨らませつつ、現実の財布を膨らませているというわけだ。非常にしたたかである。

 また「このペンを売ってみろ」というやり取りはとても印象深い。劇中でジョーダンは持っているペンを渡し、「このペンを売ってみろ」と投げかける。自分にペンのセールストークをしろと持ちかけるのだ。一種のクイズのようなものだ。私なんかはこのペンは実に素晴らしいペンでとか、カッコいいフォルムでとか言っちゃいそうだが、答えは違う。紙に何か書がなければならないという状態を作り上げて、ペンの必要性を生み出すのが正解である。需要と供給といった経済学では当たり前の概念がここでは登場する。こういう質問してみたいッ!!パクろっ!

 書くことは無限にありそうなんだが、自分の能力ではここまでっ!映画の感想書くのムズカシイネ。ともかくなかなか見応えのある映画だった!ウォール街の人間の心理に関心がある人、薬でラリってる人間のめちゃめちゃな感じが見たい人、あと洋物avが好きな人、タイタニックのディカプリオ像を破壊したい人等々は是非見てみてはいかがでしょう!

 

 

ウルフ・オブ・ウォールストリート (字幕版)

ウルフ・オブ・ウォールストリート (字幕版)

  • 発売日: 2014/05/14
  • メディア: Prime Video